あなたが日々食べるものによって身体のコンディションが大きく変わる。 硝酸塩の摂取量を増やすと血管細胞による一酸化窒素の生産が高まる。 硝酸塩はこれまで発がん性と結びつけられ、ネガティブなイメージしかなかった。 しかし、一酸化窒素は組織血液量を調節する効果的な化学物質だ。 つまり、 身体の中の交通状況が改善され、必要なものが必要な場所に迅速に届くようになるということだ。 多くの研究で硝酸塩サプリメントは血圧の改善に効果があることが証明されている。 あるイタリアでの研究で自転車競技者に高硝酸塩食を与えたところ、固定された状態でのサイクリング効率が高まり、高回数のレッグエクステンションでの疲労軽減、瞬発系パフォーマンスの向上が見られた。 ではその硝酸塩はどんな食材に多く含まれるのか。 ・ 生のほうれん草 (シュウ酸を抜くために水に20分ほど漬けると良い) ・ビート ・ バナナ ・ ざくろ ただし、先ほども述べたように、硝酸塩の過剰摂取にはデメリットがあるとされている。 次回はそのことについて説明する。 (参考 Nutrients, 8:534, 2016)
低脂肪な食事を実践した人々はどう変わったか? 過去35年間、栄養に関する専門家たちは人々に食事から脂質を減らせとアドバイスしてきた。 このアドバイスの由来は、食に関する国家目標として 「脂質の摂取を減らし、炭水化物の摂取を増やせ。」 というアメリカ合衆国元上院議員George McGovernの指導にある。 これを真に受けたアメリカ国民の肥満率は過去最高に達した。 Brigham and Women's HospitalとHarvard Universityが蓄積されていた、低脂肪食に関する研究から53個の研究をランダムで選び、長期間の減量効果を分析してまとめた。 その結果、 低脂肪食は、脂質をしっかりと摂る食事よりも減量効果がないことが分かった。 脂質は長い間、悪者として扱われてきた。 しかしそれには科学的な事実ではなく、政治的な事情を考慮しているという背景がある。 脂質には身体の中で代えのきかない重要な役割がある。 脂質を摂らないと人間は生きていくことができない。 また、“美”にも密接に関係している。 体脂肪を燃やす手助けもしてくれる。 良質な油を知ることはあなたにとって計り知れないメリットがあるということを覚えておいてほしい。 (参考 The Lancet Diabetes & Endocrinology, 3: 968-979,2015)